2019年 9月 30日(月) 9:00 〜 20:00
於 日立製作所 日立馬場記念ホール (JR 国分寺駅 より 徒歩 約10分)
新版「RISC-V版 ヘネパタ 最終第6版」邦訳 会場即売。学術書籍としては記録的な70部を完売!ありがとうございました。
時 間 | 講演タイトル | 講演者 | 講演 資料 |
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9:00 | カンファレンスホスト案内 | エスペラントテクノロジーズ 笠原 栄二 | |
9:10 | 開会挨拶 | 慶應大学(日本)教授 天野 英晴 | |
9:15 | 日立製作所におけるオープンイノベーションの展開計画 | 日立製作所(日本) 中央研究所 所長 矢川 雄一 | |
9:45 | RISC-Vの世界的な重要性とモメンタム | RISC-V Foundation(米国) CEO Calista Redmond | |
10:30 | レッドハットRISC-V参加とフェドラとファームウエア開発ステイタス | レッドハット社(米国) Wei Fu | |
10:45 | ヘネシーパターソン定量的アプローチ その役割と最終エディションに至るまでの日本語訳の経緯遍歴 | 東京農工大学(日本) 中條 拓伯 | |
11:00 | 休憩:Nexperience Roomでリフレッシュメントとトレードショー開催 | ヘネパタRISC-V版6J 会場ディスカウント販売 | |
11:30 | 一貫性をもってRISC-Vをエッジからクラウドまでデリバーする | アンデステクノロジ社(台湾) CTO Charlie Su | |
11:45 | 独立系SIerが聞いたRISC-Vに期待するお客様のリアルな声 | 富士ソフト(日本) プロダクト事業本部 エンベデッドプロダクト事業推進部 ディストリビューションビジネス室 室長 姫野 呂裕 | |
12:00 | RISC-V ベースの Root of Trust ソリューション | Rambus Inc(米国)Senior Manager, Sales Chikara Hoshino (星野 力) | |
12:15 | 日本発RISC-V推進者パネルディスカッション | 慶應大学|天野 英晴(座長)、産総研|須崎 有康、 東大|塩谷 亮太、日本IBM|宗藤 誠治、電通大|範公可、SHコンサルティング|河崎 俊平 | |
12:50 | 会場説明 | 主催者 | |
13:00 | 昼食:早番13:00~(携帯末尾番号偶数を目安)遅番13:30~(携帯末尾番号奇数を目安)の2部に別れ日立製作所中央研究所食堂で昼食。交通系カードで支払いをお願いします。 Nexperience Roomでリフレッシュメントとトレードショー同時開催。 プレスカンファレンス(報道関係のみ)を開催します。 | Nexperience RoomでヘネパタRISC-V版6J会場ディスカウント販売 | |
14:00 | Syntacore 32ビット/ 64ビットRISC-V IP製品ライン | Syntacore(ロシア)CEO Alexander Redkin | |
14:15 | RISC-Vプロセッサの導入を加速する商用開発環境IAR Embedded Workbench | IAR(スエーデン)技術部 殿下 信二 | |
14:30 | クルマのビッグデータが作る未来とエッジコンピューティング | トヨタ自動車(日本)主査 村田 賢一 | |
15:00 | 人類コンピューティングの到来〜RISC-Vへの期待と展望〜 | ギリア株式会社(日本)CEO 清水 亮 | |
15:15 | インテリジェンス組み込みを可能にするSiFive / 7シリーズRISC-VコアIPによる半導体設計の革新 | SiFive(米国)日本代表 石井 敦 | |
15:30 | 異機種混在設計によるARMとRISC-Vの融合(現実的システムレベルアプローチ) | UltraSoC(英国) CEO Rupert Baines | |
15:45 | 休憩:Nexperience Roomでリフレッシュメントとトレードショー開催 | ヘネパタRISC-V版6J 会場ディスカウント販売 | |
16:30 | RISC-V ISAカスタマイズ用の自動コンパイラ生成 | Codasip(チェコ共和国) Tomonari Tohara | |
16:45 | RISC-V対応の商用リアルタイムOS「TOPPERS-Pro/ASP」 | 株式会社ユビキタスAIコーポレーション(日本) TOPPERS事業部 金子 健 | |
17:00 | FPGAとSoC向けオープンソースEDAツールの将来 | Symbiotic EDA (オーストリア) CEO Edmund Humenberger | PDF(J) |
17:15 | RISC-V IoT機器向けハードウエアセキュリティモジュール「クリプトスペック」 | SHコンサルティング株式会社(日本)CEO 河崎 俊平 | |
17:30 | VDECとAI拠点とRISC-V | 東京大学(日本)教授 池田 誠 | |
17:45 | ロシアのMCU / CPUの歴史:いかにして我々はRISC-Vを採用するに至ったか? | Cloudbear(ロシア) Denis Ivanov | |
18:00 | Nexperience Roomでレセプション(立食+ドリンク)とトレードショー開催 | ヘネパタRISC-V版6J 会場ディスカウント販売 | |
18:30 | メンバ企業ソニーからのRISC-Vへのメッセージ と 乾杯音頭 | ソニーLSIデザイン副社長 吉田 英喜 | |
18:45 | Linux Foundation Japanからのメッセージ | Linux Foundation Japan 福安 徳晃 | |
19:00 | RISC-V Foundationからのメッセージ | RISC-V Foundation (USA) CEO Calista Redmond | |
19:15 | Nidecからのメッセージ | Nidec 福永 泰 | |
19:50 | 閉会の言葉 | SHコンサルティング株式会社 河崎 俊平、Esperanto Technologies (USA) 笠原 栄二、RISC-Foundation (USA) CEO Calista Redmond |
RISC-V Foundation の依頼で、初めての「RISC-V Day Tokyo」を2017年に主催しました。今回のカンファレンスは3回目です。日本でも RISC-V 関連の動きがますます活発になっています。2018年には、国内チッププロジェクトも大学、企業でスタート、翻訳本「RISC-V原典」が出版されアマゾンのベストセラーとなり50以上の高等専門学校の図書館が「RISC-V原典」を注文しました。日本企業として、SHC、テカナリエ、日立製作所、ソニー、NSITEXE(デンソー半導体IP部門)、ペジーコンピューティング、東京大学、ギリア、産総研が RISC-V Foundation のメンバとなりました。
2019年3月には、RISC-Vアーキテクチャに関する実装作業をホストすることを目的とした CHIPS Alliance が発足し、RISC-V の標準オープンソース・コンピューティングの設計データを提供します。 CHIPS Alliance のメンバは、コードをダウンロードしてハードを論理生成し、Linux を稼働させ、RISC-V で完全に機能する CPU または SoC 設計を提供できます。
RISC-V Foundationメンバ企業が、国内外の法人等の主催する RISC-V 国内イベントを支援する必要があります。極めてインフォーマルなグループとしてRISC-V 協会を発足させました。9月30日開催の「RISC-V の1日 東京 2019」に、どうぞご期待ください。開催に向けて、みなさまのご支援・ご協力をいただければ幸いです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
会場へのアクセス
会場の日立馬場記念ホールは、日立製作所中央研究所内にあります。国分寺駅から中央研究所正門まで徒歩でいらしてください。正門にRISC-V Day受付テントがあります。受付テントで参加登録をチェックします。参加者は、返仁橋を渡り、Y棟を通り、会場の協創棟に入ってください。協創棟に日立馬場記念ホールがあります。そこで名札をお渡しします。国分寺駅から中央研究所正門まで8分。中央研究所正門から協創棟まで8分。徒歩です。
タクシーで国分寺から来られる方、または自動車で来なくてはならない方は、中央研究所正門でなく中央研究所北門からご来場ください(車で馬場記念ホールの近傍まで入場するためには、北門から入る必要があります)。
会場について
RISC-V Day Tokyo 2019は、2019年4月に新設された日立馬場記念ホールで開催されます。会議ホールは350人の会議参加者を収容できます。 「Ideason」と「Hackathon」に使用するために設計された「NEXPERIENCE Space」で、RISC-VデモとRISC-V電子ポスタープレゼンを行います。
1910年の設立以来、日立の創業者は、社会および情報インフラストラクチャの改善のための革新に専念しました。初代設立者のベンチャースピリット「和」「誠」「開拓者精神」は、人間中心の社会を実現する現在の使命のために、今日のIoT時代にも受け継がれる必要があります。日立は、この地において、世界中から現在と将来の顧客とパートナーを歓迎し、日立の研究者やデザイナーとのオープン協創を企画する予定です。
昼食
昼食は13:00~14:00です。原則として中央研究所食堂をご利用ください。支払い方法はスイカ等の交通系カードのみです。持ってない方は係に連絡してください。この場合、料金は現金で払うことになりますが端数切り上げになります。「13:00〜=携帯の末尾番号偶数を目安」と「13:30〜=携帯の末尾番号奇数を目安」の2派に別れて昼食をします。食堂混雑の緩和のためです。同時にNexperienceルームでトレードショーが行われているので、番でない方はそちらに行ってください。
レセプション
レセプションは、Nexperienceルームで18:00 ~ 20:00に行います。
イベント参加者プライバシーポリシー
今回のイベントの参加者情報はスポンサーにシェアします。しかしながら、これをしたくない方は、申し出ていただければ、対応いたします。EU居住参加者の情報は、GDPRに準拠した情報管理を要求されます。明示的同意を得た方の情報のみスポンサーに開示します。
会場での禁止事項
・許可を得た場所以外で撮影すること ・会場や備品等を破損、汚損し、又は滅失すること ・引火物、爆発物その他危険物、若しくは衛生上好ましくないもの、臭気を発するもの、又は他 人に危害を及ぼすおそれがあると認められるものを持ち込むこと ・騒音、怒声を発し、又は暴力を用いる等他人に迷惑、危害を及ぼす行為を行うこと ・利用承認等を受けた以外の施設に立ち入り、又は附属設備を使用すること ・盲導犬、介護犬、聴導犬等の補助犬を除くペットを同伴して入場すること ・定められた場所以外で喫煙、飲食を行うこと ・裸火を使用すること ・定められた場所以外で印刷物、広告物、ポスターその他これらに類するものを貼り付け、掲示 すること ・その他当社が、管理上支障があると判断したことを行うこと。
令和元年10大RISC-Vニュース
「令和元年RISC-V10大ニュース」をまとめました。間違いだらけかもしれないので、寛容な心で読んでいただければと念じております。
1。RISC-Vサーバ5年戦略が進行中:
6月に、120億円の資金を調達したRISC-V企業、カリフォルニア大学スピンアウトのSiFive社が、5年以内に商用RISC-Vサーバ運用にこぎつけると宣言しました。こうした宣言が行われると、周囲が放っておかないのがアメリカです。ステークホールダのオープンソースコミュニティが一斉に立ち上がり作業を始めています。RISC-Vは、2019年にデビアン移植アーキテクチャ(Debian-ports architectures)に認定済。サーバ仮想化、コンテナ技術、マイクロサービス技術などで、信頼度、運用率、スケーラビリティを向上させるためサーバシステム技術革新が現在進行中で、技術が変わる時に、RISC-Vにもサーバ分野で活躍できる場ができています。システム運用インフラストラクチャサービス(IaaS)、アプリケーション実行環境サービス(PaaS)、マイクロ機能サービス(FaaS)などが続々と出現し、OpenFaaSの全機能版サーバーレスRISC-V実装のプルリクエストがアップストリームにマージ中です。Googleが開発したGo言語で書かれた、システム管理や検出を容易化し、サービスのスケーラビリティを向上するKubernetesシステムのRISC-Vへの移植作業も進行中です。
2。RISC-V言語サポートが充実:
命令セット(ISA)システムの大きな基盤は言語サポートです。5月に、C、C++、Ada、Go、Rust言語をサポートするGNU Debugger(GDB)「GDB 8.3」がRISC-Vのサポートを実装。Google社が開発した(サーバ)システム言語Goも移植されつつあります。去る9月3日にVersion 1.13がリリースされる際に、1.14でサポートリストにRISC-Vを正式追加すると公表。大きな話題となりました。1月からRISC-V用新コンパイラのLLVM/ClangのDARPAファンディングが始まり、Clang、OpenCL、Rustに渡る広範な言語サポートの基盤構築がスタートします。今回訪日する、チェコ共和国のCodasipは、LLVMソリューションを改善するために、CoreMarkベンチマークで使用されるジャンプスレッドの独自の革新的実装を開発しています。
3。中国スマホ応用でRISC-Vが躍進:
中国スマホ分野では、世界で最も強力なAIプロセサとして、Huawei Ascend 910を7nmプロセスでARMで開発したことを発表しましたが、同様なチップをRISC-Vでも設計しているという2CPU戦略を表明しています。通商ブロック化を背景にスマホシステムでもRISC-VにもARM(現在世界シェア99%)と並ぶことが地域によっては可能になるかもしれません。
4。フラッシュマイコン、マイコンIPでRISC-Vが躍進:
フラッシュマイコンの潮目が変わりました。ARM Mシリーズの32-bit MCUにおいてのマーケットシェアは、2011年に15%、2012年に18%、2015年に70%としています。ARM Mシリーズでシェアを急伸している台湾のギガデバイス(GigaDevice)がRISC-Vを全面採用すると宣言しました。GD32VF103シリーズRISC-V MCUは、最高周波数で153 DMIPSのパフォーマンスとCoreMarkベンチマークテストで360ポイントのスコアを持ち、同社ARM Mコアよりも15%高速。消費電力は半分としています。
Andes Technologyが、ARM Mシリーズに対抗して開発されたN8シリーズに続く、RISC-VアーキテクチャのN22「Bumblebee」IPコアは、ARM Mシリーズに比較して、CoreMark/MHz, DMIPS/MHz, CSiBe Code Size, のすべてのベンチマークで凌駕するとしています。
5。DARPAセキュリティ研究開発はRISC-Vが必須:
DARPAセキュリティ研究プロジェクトはRISC-Vを使うことを義務付けています。DARPAはハードウェア脆弱性を軽減するSSITHプロトタイプを発表。ハードウェアが攻撃をブロックし、ソフトウェアパッチの必要性を減らすオープンソースチップがRISC-Vで開発されています。
6。RISC-V周辺集積「チップス・アライアンス」創生:
3月より、Google等の後援でLinux Foundation内に作られた「チップス・アライアンス」(CHIPS Alliance)、FOSS、FOSSiなど、RISC-Vでシステムを作りやすくするための周辺機能のIPを集積活動が始まりました。8コアの高性能システムを簡単にオープンソースで作れる。従来高付加価値だったチップ製品をオープンソース技術で作れるようになりました。
7。オープンソースEDAツールがRISC-Vをビークルに急伸:
RISC-Vをビークルとして、新世代のオープンソースEDAツールがと開発されつつあります。新刊本”Digital Design with Chisel”が正式に発刊され、新設計フローも確立しつつあります。従来から存在していたVerilatorのようなEDAツールが広く使われるようになり、その信頼性と性能と機能が急激に向上しました。オープンソースEDAツールは、過去20年間どんぐりの背比べでしたが、今年になって強いコンテンダが出現しました。コシミュレーションとかのメソドロジもオープンソースで実現できるようになりました。FPGAツールYosys+nexpnrは、その単純さゆえに商用FPGAツールに比較して実行速度がとてつもなく速い。FPGA自動配置配線ツールnextpnrはデバイス依存部と一般処理部からなり、デバイス依存部を書き換えればどんなFPGAにマップできます。現在は、ラティスICE40とECP5、ザイリンクスのFPGAがサポートされています。オープンソースツールは多様なユースケースを可能にします。検証フェーズでテストベクタを高速で試すために「部分コンフィギュレーション機能」を活用することができます。形式的検証の重要性も高まりつつあります。ハードウェアトロイの木馬などの意図しないロジックは、開発プロセスの複数のポイントで挿入される可能性がありますが、これらを形式的検証で検出することができます。
8。RISC-Vが元祖:オープンアーキテクチャとオープンソースハードが全面展開:
nvidiaは、オープンソース機械学習エコシステムを開発する取り組みNVDLAをリードしています。 NVDLA Deep Learning Inference Compilerも、NVDLAのRTLも公開しました。
サーバ・CPUの世界は確実に変わろうとしています。どこに落ち着くのかは、わからないが。IBMは、Powerアーキテクチャを無償化しました。RISC-Vに慣い、Power CPUの命令セットを無料化しました。RTLをオープンソース化しました。マイクロワット(Microwatt)というOpenPowerのソフトコアも発表されました。VHDL 2008で書かれた小さなOpen POWER ISAソフトコアで、シンプルでわかりやすいことを目指しています。IBMは、OpenPowerをオープン化し中国の次世代チップにPowerを供給。8月のOpenPower Summitでは、プレゼン19件が発表されました。。IBMが「開発者がハードウェアとソフトウェアがPower上で連携して動作することを保証するために使用する定義」、Power Instruction Set Architecture(ISA)をオープンソース化します。Power ISAソフトコア、のみでなくOpenCAPIインターコネクト技術、OMIメモリインタフェース技術の参照実装もオープンソース化しました。
Wave Computing社がMIPS Openが展開する動きもRISC-Vがモデルになっています。
9。RISC-Vによるデジタル半導体研究開発範囲の拡大:
カーボンナノチューブRISC-Vの製造プロセス: MITは先週、標準CMOS製造設備と、市販CMOS製造工場にある材料とプロセスを使用して、カーボンナノチューブ(CNT)MOSFETで作られたRISC-V CPUを発表しました。カーボンナノチューブFETを使ったのRISC-Vプロセッサだと。エネルギー効率が10倍良いとしています。
10。RISC-V組織のグローバル化と自由かつオープンなソフトウエアとハードウエア活動への貢献:
3月に、通商のブロック化によりRISC-Vの発展が妨げられないように、RISC-V Foundationは、Linux Foundationと融合しました。欧州のFree and Open Source Software(FOSS)、 Free and Open Source Silicon(FOSSi)、他の組織とも連携し、単なる米国の組織からグローバルな組織に変革しつつありました。FOSSとFOSSiは、陰陽のように、ISAを媒介として根源で一つに統合された血の通ったモノリシックな活動として展開されているように見受けます。 RISC-Vは、ヨーロッパ発のFOSS / FOSSi活動の中心的要因の1つを提供しました。FOSSとFOSSi活動は今後数年間で業界に大きな違いをもたらす活動と信じます。
RISC-V協会==RISC-V Foundation企業メンバ有志
SHコンサルティング株式会社:RISC-V Day Tokyo 2019主催幹事企業
河崎 俊平
www.swhwc.com