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RISC-V Day Tokyo 2025 Autumn:オープンスタンダード協働による設計・AI・サプライチェーンの強化

2025年12月4日木曜日
9:00-18:00 日本標準時 (UTC+9)
ここをクリックすると無償参加登録できます。
イベント会場レイアウト

 

写真

時間

講演タイトル講演者

9:40-10:00

開会挨拶:「RISC-V に関する研究とイノベーション」池田 誠(いけだ まこと))| 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻教授

10:00-10:20

日本の半導体戦略2025 ― 次世代半導体製造を支える技術・政策・産業エコシステムの構築(招待公演)齋藤 尚史(さいとう ひさし)| 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 総括補佐 博士(工学)

10:30-10:50

Alphawave Semi による高性能コネクティビティ IP の紹介Jennifer Lee(ジェニファー・リー)|Alphawave Semi 営業担当副社長 兼 韓国・日本カントリーマネージャー

11:00-11:30チャットボットからロボットへ(プラチナスポンサー)Cheol Kim(チョル・キム)|MIPS Technologies プロダクトマーケティング ディレクター

11:40-12:00
招待教育講演:「セキュリティ 101 ― Root of Trust と RISC-V TEE の概観」(招待講演者)須崎 有康 (Kuniyasu Suzaki)|情報セキュリティ大学院大学 教授

12:10-12:40
CaliptraおよびOpenTitanチュートリアル ― オープンRoot of Trustファームウェアのアーキテクチャと統合(GoogleおよびMicrosoftにおける最新動向)アンドレス・ラガル=カビーヤ | 特別主席エンジニア | グーグル LLC (Google LLC)米国、カリフォルニア州 マウンテンビュー

12:40-14:00ランチタイム展示エリアオープン

14:00-14:30オープンコンピュートによるスケーリング:RISC-V、チップレット、AI・ロボティクスの未来石井 靖夫(Yasuo Ishii)|RISC-V CPU アーキテクチャ フェロー|Tenstorrent Japan

14:40-15:10実運用に耐えるエージェントAIループの設計 ― ロボティクスを視野に入れた実システム信頼性を担保する実践的AIフレームワークチラーグ・アグラワル(Chirag Agrawal)| Alexa+ AIエージェントエンジニアリング部 シニアソフトウェアエンジニア | アマゾン・ドットコム社(Amazon.com, Inc.)(米国ワシントン州シアトル)

 15:20-15:50
RISC-V CPUチップ評価の実践と再現性検証 — FPGA・Google Open MPW、TinyTapeouによるJASA独自RISC-Vオープンプラットフォーム開発とGithub公開小檜山 智久 | 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V WG主査 | 株式会社 日立産機システム インフラシステム統括本部 事業管理部 兼 品質保証本部 主管技師, 黒川 能毅 | 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V WG, 小林 正隆 | 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V WG | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)  デジタル基盤ソリューション本部 セミコンダクタ第一設計部, 河崎 俊平 | SHコンサルティング株式会社
16:00-16:20オープンコンピュートによるスケーリング:日本の取り組みと半導体設計エンジニア育成プログラム(上級コース) 中野 守(なかの まもる)|  テンストレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長

16:50-17:20

オープンアーキテクチャ技術・ライトニングトーク

① オープンソース活用によるRISC-V チップの開発
② CHERI ALLIANCE 201
③ ほか

① 中島 伸盛 | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)  デジタル基盤ソリューション本部 セミコンダクタ第一設計部

② 明石 貴昭 | Country Manager – Japan, Codasip GmbH(ドイツ)

17:30-17:40

閉会の挨拶

TBD

 

PhotoTimePresentation TitleSpeaker
 9:00-13:00Hands-on Tutorial and Demo: OpenROAD and Tiny Tapeout WorkflowNoritsuna Imamura, ISHI-Kai, OpenSUSE
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写真講演概要(アブストラクト)

日本の半導体戦略2025 | 経済産業省 商務情報政策局
本講演では、経済産業省(METI)が主導する「日本の半導体戦略2025」の概要を紹介する。本戦略は、日本の半導体エコシステムを再構築し、国際的なサプライチェーンの中での役割を強化することを目的としている。デジタル変革の加速と経済安全保障への懸念が高まる中、産業界・学界・政府の連携によって日本の技術基盤を強化することを目指している。主な重点分野は以下のとおりである:次世代半導体および先端パッケージングに関する研究開発力と製造能力の強化。増大するデータ処理・計算需要に対応するためのデジタルおよびAIインフラの拡充。ハードウェアとソフトウェアの両面での人材育成とイノベーション・エコシステムの形成。この取り組みは単なる産業政策ではなく、安全で持続可能かつ国際的に連携した半導体開発への日本の包括的なコミットメントを示すものであり、志を同じくする各国政府および民間企業との協力を基盤としている。

スケーラブル・オープン・コンピュート:RISC-Vとチップレットが切り拓くAI・ロボティクスの未来 | 中野 守(なかの まもる)|  テンストレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長
人工知能(AI)と自律システムが社会のあらゆる領域に浸透する中で、持続的なスケーリングを実現するためには、多様性とオープン性を備えた計算基盤が不可欠となっている。

本講演では、Tenstorrent社が描く、RISC-Vとチップレット型アーキテクチャによるオープンで高性能なコンピューティングのビジョンを紹介する。
Tenstorrentは、世界最高水準のSPEC性能を誇るRISC-Vコア「Ascalon」および「Callandor」、さらに自動車・ロボティクス用途向けの**ISO 26262認証対応プロセッサ「Ascalon-Auto」を発表している。これらのCPUは、Tenstorrent独自のAIアクセラレータ「Tensix」と統合され、エッジからデータセンターまでスケーラブルに拡張可能なモジュラー・チップレット構成を実現している。この戦略の中核を成すのが、『Open Chiplet Architecture(OCA)』である。OCAは、物理層・伝送層・プロトコル層・システム層・ソフトウェア層を統一的に規定するレイヤード標準であり、異なるベンダー間でも相互運用可能なシリコン・エコシステムを実現する。
Tenstorrentは、オープン性・スケーラビリティ・高性能を融合することで、RISC-Vを専有アーキテクチャに対抗し得る現実的な選択肢へと押し上げ、クラウド、ロボティクス、自動車といった多様な分野で次世代のAI駆動型・自律型システムを支える基盤を提示する。
チャットボットからロボットへ | Cheol Kim(チョル・キム)|MIPS Technologies プロダクトマーケティング ディレクター
エッジにおけるフィジカルAIは、新たな自律型プラットフォーム市場を開き、運用効率のさらなる向上を実現します。本講演では、フィジカルAIの実装に必要となる基盤技術を概観し、「Sense(認識)」「Think(判断)」「Act(動作)」「Communicate(通信)」という 4 つの中核的なコンピューティング課題を検討します。各要素の要件を理解することで、エッジにおける次のフィジカルAI革新を牽引し、自律型システムのスーパーサイクルへと導くために必要な主要技術の進展を明らかにします。

セキュリティ101 | 須崎有康|情報セキュリティ大学院大学
RISC-Vをベースとして開発されているTEE(Keystone, CoVEなど)やRoot of Trust(Titan, Caliptraなど)の技術について概観する。
これらの技術はハードウェアで機能を開発するのみではなく、活用するソフトウェアも信頼できる必要があり、Remote Attestationを通じた外部からの検証も必要となる。
既に商用のTEEとしてはArm TrustZone, Intel SGX, TDX, AMD SEV-SNPなど、Root of TrustとしてはAMD Secure Processor (AMD-SP)が出ているがそれらとの比較も行う。

CaliptraおよびOpenTitanチュートリアル | Google LLC(米国)
本チュートリアルでは、Google・Microsoft・AMD・NVIDIA が主導し、Nuvoton・Samsung・Intel などの半導体企業が支援する Open Compute Project(OCP) 傘下のオープン Root of Trust(RoT)プロジェクトである Caliptra を中心に、さらに Google が主導し、現在 Nuvoton により量産化されている独立型 RoT チップ・イニシアチブ OpenTitan にも焦点を当てるものである。Caliptra は、ファームウェア、プロビジョニング、Linux 統合を含む SoC 組込み型スタック として設計されているのに対し、OpenTitan は スタンドアロン型のセキュリティチップ を提供することを目的としている。すなわち、OpenTitan が透過性の高い 独立型 RoT 実装 を体現するのに対し、Caliptra は クラウドおよびデータセンターシステム向けの統合型 RoT ソリューションの標準化 を目指している。本セッションでは、両プロジェクトの 設計思想、セキュアブート機構、および オープンソース開発による信頼性向上へのアプローチ を探るものである。

実運用に耐えるエージェントAIループの設計 ― ロボティクスを視野に入れた実システム信頼性を担保する実践的AIフレームワーク | チラーグ・アグラワル(Chirag Agrawal)| アマゾン・ドットコム社(Amazon.com, Inc.)(米国ワシントン州シアトル)
エージェント型AIシステム(Agentic AI Systems)とは、推論・計画・ツール呼び出し・結果評価・反復処理を自律的に行い、目標達成まで閉ループで動作するプログラムである。しかし、このようなシステムを実運用レベルに仕上げるためには、レイテンシ・コスト・プライバシー・信頼性といった複数の側面にわたる工学的規律が求められる。本講演では、大規模にエージェントAIループを設計・展開するための実践的フレームワークを提示する。特に、ReAct(Reason + Act)パラダイムが堅牢なツールベースエージェントやマルチエージェント協調をいかに実現するかを解説し、ツールルーティングポリシー、コンテキスト圧縮、オンデバイス検索技術など、プライバシーと性能の両立を支える手法に焦点を当てる。また、クラウドベースAIの応答性やデータ保護に限界が見え始める中、RISC-Vベースおよびチップレット駆動型プラットフォームがローカル自律性の新たな地平を開いていることを論じる。これにより、知的エージェントはエッジデバイスやロボティクスシステム上で直接推論・学習・動作することが可能となる。参加者は、クラウド・エッジ・ロボティクス領域を横断して持続可能かつ自己改善型のAIエージェントを構築するためのエンジニアリング設計指針と運用上の枠組みを得るとともに、RISC-Vのようなオープンハードウェアが次世代のスケーラブルで信頼性の高いAIインフラをいかに支えるかについての洞察を得ることができる。

一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V ワーキンググループ(WG)
JASA RISC-Vワーキンググループでは、RISC-Vの理解促進と実装技術の検証を目的に、まずFPGA上でのRISC-Vプロセッサ実装を行い、その後Googleシャトルを活用した試作チップでデモを作成しソフト動作評価を実施した。現在は自前設計によるRISC-Vチップ開発にも取り組み、各段階で実際に動作デモを実現している。本講演ではこれらの成果と今後の展望を紹介する。
TinyTapeoutを活用した独自RISC-V CPUチップの試作 | 黒川 能毅 | 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V WGメンバー
TinyTapeoutでは搭載できる論理規模に厳しい制約があるため、標準的な5ステージRISC構成では容量を大きく超過してしまう。本研究では命令セットを保持しつつ、CPUをステートマシン型へ再設計することで論理量を1/4に削減し、FreeRTOSが動作可能なRISC-V互換CPUの論理設計を実現した。本発表では、TinyTapeout向けRISC-V互換CPUの開発過程と最適化手法を報告する。
オープンソース活用によるRISC-V チップの開発 | 中島 伸盛 | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)  デジタル基盤ソリューション本部 セミコンダクタ第一設計部
日立産業制御ソリューションズは、半導体設計におけるインテグレーション技術を活かし、カスタムチップ設計の内製化を推進することで国内半導体市場の活性化に寄与することを目指している。
本講演では、chipfoundry社の「chipIgnite」サービスを活用し、オープンソースで公開されているRISC-VコアIPおよびデザインプラットフォームを用いてRISC-Vマイコンを試作した取り組みを紹介する。
試作の過程では、ツールチェーンの整備、レイアウト設計、検証環境の構築といったプロセスにおいて、オープンソース開発特有の課題に直面した。これらの課題に対して、設計資産の再利用やオープンツールの適用範囲の明確化など、実践的な対応を行った。

本発表では、その過程で得られた設計・検証フローに関する知見を共有するとともに、オープンソースを活用した半導体開発の新たな可能性を示すものである。

RISC-V CPUチップ評価の実践と再現性検証— FPGA・Open MPWによるJASAオープンプラットフォーム開発  |  小林 正隆 | 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V WGメンバー | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)  デジタル基盤ソリューション本部 セミコンダクタ第一設計部
JASA RISC-V WG は、オープンな仕様で会員が自由に活用できるRISC-Vプラットフォームの整備を通じて、組込み分野での普及と実装力の底上げを進めている。本評価は、FPGAおよびオープンMPW(eFabless)フローを用いて、RISC-V CPUサブシステムの再現性・移植性・検証性を段階的に確認する取り組みである。まず、LiteX + RocketChip を用いたArty A7-100T上での64bit Linux起動(SoC化・ビルド手順・環境要件の標準化)を行い、RISC-Vソフトウェア/ツールチェーン整備のベースラインを確立する。続いて、Caravel(Open MPWハーネス)上でのユーザロジック実装とデバッグ機能の検証により、JASAチップ実現へ向けたフローの妥当性を評価する(MPW-6相当領域での“Marmot1”ロジック動作確認、テスト手順の明文化、成果の再利用可能化)。本評価では、凍結済みのSiFive Freedom系リポジトリの再現に伴う依存解決や、再現性向上のためのDocker化・古いツールチェーン固定(例:RISC-V toolchain v2020.12系)といった実務的課題にも対処し、チーム外でも追従可能な**再現手順(How-to)として公開する。これら一連の成果は、JASA RISC-V WGの方針(オープン仕様のプラットフォーム整備、関連団体との協創、定期的な知見共有)にも整合し、国内の教育・試作・実装現場で再利用可能な**評価リファレンス(手順書・検証ログ・既知の問題と回避策)**として蓄積・公開していく。

ハンズオンチュートリアル&デモ:OpenROAD / Tiny Tapeout |  任意団体 ISHI-Kai |  OpenSUSI
本ハンズオンチュートリアルでは、オープンソースEDAツール OpenROAD と教育プラットフォーム TinyTapeout を用い、LSI設計からチップ製造までの基本的なワークフローを実践的に学ぶ。参加者は、設計自動化・物理実装・検証の各プロセスを対話的に体験しながら、オープンソースハードウェア設計の基礎を身につける。本チュートリアルは、SkyWater 130nm(Sky130)プロセスをベースに、Verilogによるデジタル回路設計、OpenLANE, xschem, ngspice, KLayout などのオープンEDAツールを用いた設計から、GitHub Actionsによる自動GDSII生成までを一貫して解説する。さらに、TinyTapeoutシャトルへの提出を通じて、オープンソースツールとコミュニティ主導の設計プラットフォームが、ASIC製造をどのように身近なものにしているかを体感できる。このセッションの目的は、参加者にオープンソースハードウェア設計手法の実践的理解を提供し、TinyTapeoutエコシステムの教育的可能性を体験してもらうことである。3時間のハンズオンでチップ設計手法を実践的に学べます。PCを持参し、会場でオープンEDAツールのDockerイメージをインストールします。WindowsはWSL(Ubuntu 24.04推奨)、Macは最新Dockerを事前に導入ください。ハンズオン後は関連講演と展示を実施。参加者全員に『Google半導体とRISC-Vと世界の電子地政学』(税込2,000円)を贈呈します。(※事前登録を推奨)

 

写真登壇者紹介(とうだんしゃしょうかい)

齋藤 尚史(さいとう ひさし)| 総括補佐 博士(工学)経済産業省 商務情報政策局 情報産業課
齋藤尚史(さいとう ひさし)氏は、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 総括補佐であり、博士(工学)の学位を有しています。
民間企業において約10年にわたり半導体の研究開発に従事し、製造およびプロセス技術の分野で豊富な実績を積んだ。2021年に経済産業省へ入省し、以降は半導体・デジタル産業戦略の策定や、国内外の製造拠点誘致、2nm級技術開発支援など、日本の半導体産業政策の中核を担っている。学術面では、垂直InGaAsチャネルMOSFETの出力コンダクタンス低減に関する研究など、半導体デバイス物理に関する複数の論文を発表しており、研究者としての確かな専門性を背景に、産業と政策の橋渡し役を務めている。
現在は、技術開発と産業振興を統合的に推進する立場として、日本の半導体・電子産業の再興に取り組んでいる。

中野 守 (なかの まもる) | 代表取締役社長 テンストレント・ジャパン株式会社 (Tenstorrent Japan Inc.)
中野 守氏は、半導体・HPC・AI/機械学習分野で数十年にわたり指導的役割を果たしてきた日米ハイテク業界のベテランである。現在は、カナダ発のAIコンピューティング企業 Tenstorrent の日本法人、テンストレント・ジャパン株式会社の代表取締役社長として、2023年1月の同社設立以来、同社の日本市場における事業展開と組織構築を牽引している。
中野氏はテンストレント入社以前、英グラフコア(Graphcore)日本法人のカントリーマネージャーとして、セールス・マーケティング・顧客エンゲージメントを統括しました。さらにその前は、米クレイ(Cray Inc.)の日本法人代表として約16年間にわたりHPC事業を率い、アジア地域での成長を推進。HP社では、アジア全域におけるHPCおよびLinuxビジネスのゼネラルマネージャーを務めるなど、長年にわたり高性能計算・クラウドインフラ領域の第一線で活躍してきた。
テンストレント・ジャパンでは、AIアクセラレータ、RISC-Vプロセッサ、チップレット技術といった革新的なハードウェアソリューションを日本企業・研究機関に提供し、日米をまたいだ技術協業とエコシステム構築を通じて、日本の「トラスト化されたデジタル信頼基盤」の形成に寄与している。

アンドレス・ラガー=カヴィーヤ(Andrés Lagar-Cavilla)| ディスティングイッシュト・エンジニア/グーグル合同会社(米国カリフォルニア州マウンテンビュー)
H. アンドレス・ラガー=カヴィーヤ氏は、グーグルの特別主席エンジニアとして、オープンハードウェアセキュリティとコンフィデンシャルコンピューティングの領域を牽引している。オープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)では、グーグルを代表する主要な技術リーダーの一人として活動し、Open Compute Security Project(OCSP)およびData Center Secure Control Module(DC-SCM)仕様の方向性を策定している。これらの活動を通じて、オープンサーバーアーキテクチャにおける一貫したRoot of Trust(信頼の基点)、セキュアブート、および認証フレームワークの実装を定義している。グーグル社内では、DC-SCMによるハードウェアレベルのセキュリティから、上位層のHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)サービスやコンフィデンシャルコンピューティング環境に至るまで、プラットフォームレベルの信頼メカニズムを統合し、稼働中データ(data in use)の完全な検証可能保護を実現している。ラガー=カヴィーヤ氏のリーダーシップの下、グーグルの内部インフラストラクチャとOCPエコシステムは、透明性・相互運用性・暗号的検証可能性を備えた新たなセキュリティ基盤へと前進している。オープンスタンダードと実運用規模のシステムを橋渡しすることで、同氏は現代のデータセンターにおける「設計による信頼(trust by design)」のあり方を再定義し続けている。

実運用に耐えるエージェントAIループの設計 ― ロボティクスを視野に入れた実システム信頼性を担保する実践的AIフレームワーク|チラーグ・アグラワル(Chirag Agrawal)|Amazon.com, Inc. シニアソフトウェアエンジニア(米国ワシントン州シアトル)
チラグ・アグラワル氏は、アマゾンにおいて次世代会話型AIシステム(例:Alexa+)の基盤技術の設計と開発に貢献してきたエンジニアである。Alexa+とは、アマゾンが開発を進める大規模言語モデル(LLM)と複数のAIエージェントを統合した次世代音声アシスタント基盤であり、アグラワル氏はその中核となる会話メモリ基盤およびRAG(Retrieval-Augmented Generation)型Bring-Your-Own-Content(BYOC)パイプラインを構築した。これらは、ユーザや企業が独自データを活用して生成AIと対話できる仕組みであり、アマゾンのマルチエージェント推論アーキテクチャを支える重要なインフラである。
同氏の研究領域は、リアルタイム文脈圧縮、プロンプト最適化、検索拡張型対話フレームワークなど多岐にわたり、大規模AIエージェントのレイテンシ・信頼性・スケーラビリティを大幅に向上させている。
さらに現在は、クラウド依存から脱し、RISC-Vベースおよびチップレット駆動型プラットフォーム上でAIが自律的に推論・学習・動作するアーキテクチャを追求している。これは、スケーラブルでプライバシー重視、かつ自己改善可能なAIインフラをクラウドとエッジの双方にまたがって構築するというビジョンに基づくものである。アグラワル氏は、InfoQや国際的なAIエンジニアリング系ポッドキャストにおいて、持続可能なエージェント型AIシステムの実践的設計フレームワークに関する知見で注目を集めている。

小檜山智久 | JASA RISC-V WG主査 | 株式会社 日立産機システム インフラシステム統括本部 事業管理部 兼 品質保証本部 主管技師
小檜山智久(こひやま ともひさ)氏は、JASA RISC-Vワーキンググループ主査として、日本の組込みソフトウェア産業におけるRISC-V普及と標準化活動を牽引しています。現在、株式会社日立産機システムにおいて、インフラシステム統括本部 事業管理部 兼 品質保証本部 主管技師として、社会インフラ領域を中心とした組込みシステムの品質・信頼性向上に取り組んでいます。

黒川 能毅 | 一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)RISC-V WGメンバー
某メーカーに勤務し、過去に半導体デジタル回路設計の業務に従事した経験を有する。電子工作を長年の趣味とし、ラズベリー・パイを用いた各種開発を行ってきた。コロナ禍を機にFPGAによるRISC-V CPUの自作に取り組み始め、現在は自作の5ステージRISC-Vプロセッサの開発を進めるとともに、Tiny Tapeout向けの軽量CPU設計を行い、FPGA上での動作検証を進行中である。

中島 伸盛 | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)  デジタル基盤ソリューション本部 セミコンダクタ第一設計部
2004年より、組込み機器分野におけるDSP、FPGA、ストレージ制御ASIC、車載マイコンなどのチップ開発に従事。現在はRISC-Vマイコンの試作および検証開発を主導している。

小林 正隆 | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)  デジタル基盤ソリューション本部 セミコンダクタ第一設計部
2023年まで、30年以上にわたり Windows CE や Android などの組込みシステム(Embedded System)ソフトウェア設計に従事してきた。2023年より一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)RISC-Vワーキンググループに参加し、JASA独自のRISC-Vチップ開発に向けた活動を行っている。Tiny Tapeoutプロジェクトでは、黒川氏が設計したRISC-Vチップの評価を担当し、動作検証およびツールチェーンの再現性確認を実施した。現在は、オープンソースEDAツールを活用した小規模SoC設計検証フローの確立と、教育・研究向けRISC-V設計環境の整備に取り組んでいる。

今村 謙之 | 任意団体 ISHI-Kai | OpenSUSI
IPA未踏ソフトウェア事業をきっかけにオープンソース開発に関わり、日本Javaユーザー会や日本Androidの会の立ち上げを通じて、国内OSSコミュニティの発展に貢献。その後、宇宙開発や超小型衛星の設計に携わる中で「ハードウェアの大量生産と民主化」の必要性を痛感し、滋賀県立大学の土谷氏と共にオープンソース半導体コミュニティ「ISHI会」を設立。現在は、TinyTapeoutなどを通じてRISC-V時代のオープンハードウェア設計教育を推進している。

 

 

 

RISC-V 協会とは?

RISC-V-logo-figonly-mod-2

RISC-V協会はRISC-V Foundationメンバ企業有志により運営されている団体です。メンバ企業の立場で、RISC-V Foundation が定義するMember Sponsored EventとMeetupをサポートします。また業界団体のRISC-V イベントも支援します。RISC-V Day Tokyo 2019ではSHコンサルティング株式会社が 実行係を務めています。

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