無線IoT用MCUのパイオニア、中国、上海のEspressif社が2021年から出荷開始するESP32新世代チップラインアップは、全品種にRISC-V CPU1個をなんらかの形で搭載すると予想されます。TSMC社の40nmプロセスを使う点は以前の製品と同じです。
センサIoT向け ESP32-C3: メインプロセサはRISC-V CPU1個。低消費電力プロセサなし。
画像IoT向け ESP32-S2: メインプロセサはXtensa CPU1個。低消費電力プロセサとしてRISC-V CPU1個。
画像処理IoT向け ESP32-S3(推定): メインプロセサはXtensa CPU2個。低消費電力プロセサとしてRISC-V CPU1個。
ESP32-S3は、2021年末にできると思われています。Xtensa CPU2個+RISC-V1個を搭載すると見られる発表されます。ESP32-C3のワーキングサンプルはすでに配布されています。2021年中に量産開始すると予想しています。
低消費電力プロセサを説明します。新世代ESP32のパワードメインは、時計クロックで動作するリアルタイムクロック(RTC)を含む低速処理部と、160-240MHzのクロック周波数で動作する高速処理部に分かれています。新世代ESP32の特徴は時計クロックで動作するCPUが存在することです。ESP32-S2では、低速処理部にRISC-Vが使用されています。ESP32-C3では、高速処理部にRISC-Vが使用されています。
蛇足になりますが、新世代ESP32の快挙は、積層チップでメモリを集積したことです。従来ESP32は、フラッシュ、PSRAMは外付けだったのではないかと思います。コンピュータの機能は、基本的にメモリ容量で決まるので、これらのメモリは重要です。積層チップだと、最終ESP32システムのフォームファクタは驚くほど小さくなります。ウエアラブルなどに使うことも可能になります。
積層チップ ESP32-S2-FH4:2MBフラッシュメモリ(Flash NOR) を集積
積層チップ ESP-S2-FN4R2:2MBフラッシュメモリ(Flash NOR) と 4MB擬似スタチックRAM(PSRAM)を集積
積層チップ ESP32 FEATERSF2:16MBフラッシュメモリ(Flash NOR) と 8MB擬似スタチックRAM(PSRAM)を集積
予告:RISC-V Days Tokyo 2020 Spring (2021年4月22-23日)の 予告。今年のフォーカスエリアは、① オープンソース EDA ツール と プロセス開発キット、 ② 日本発RISC-V CPU、③ 続々と登場するRISC-V製品紹介 です。