nVidia, ARM, RISC-VとRISC-V Day Tokyo 2020

RISC-Vの出荷個数ベースの成長率はARM初期の400倍と言われます。昨夜、ジェンセン ファングnVidia社長, サイモン セガーARM社長のインタビュービデオが公開されました。2020年モデルのサムソン5G携帯がRISC-Vを採用したことが大きな理由です。RISC-Vの瞬間的成長を可能にしたのは、RISC-Vのオープンアーキテクチャとともに、過去30年間、ARMがソフトIPコアを供給し、nVidiaがファブレス半導体会社としてEDAツールや外ファブを創り上げ、半導体業界再編に地道に寄与したためです。9月14日にnVidiaが発表したARM買収(半導体史上最大=4.2兆円)でジェンセンが何をしたいかを説明しています。nVidiaはRISC-V Internationalの創設メンバで、すでにRISC-Vを搭載した製品を出荷してます。ジェンセンはRISC-VとARMは全く異なる技術と説明していて、nVidiaは、この2つの技術を使い倒すと宣言しています。
インタビューの概要:
① コンピューティング企業nVidiaとARMが融和しAI、クラウド、自律制御型マシンを開発するコンピューティング基盤を提供。
② ARMは、CPU技術を基盤として、CPUコード、プログラミングパラダイム、開発者用ツールを提供するモデルで構成される。
③ nVidiaから見るとARMは、パワー効率の良いアーキテクチャ、ソフトコアをライセンスビジネスモデル、チップ製造会社へのコンピュータ技術提供を30年継続した偉業である。
④ nVidiaは、これにパートナーのネットワーク、nVidiaのGPUソフトコアを加えることによりnVidiaの技術をチップとしてでなくIPとして供給する。ARM Mali GPUは継続。
⑤ リネロを中心としてオープンソースソフトウエアコミュニティの育成を継続する。
⑥ ムアー法則の崩壊を見据え、複雑なアーキテクチャ、スタックダイ、より応用に近づいた開発を行う。
⑦ nVidiaは、エンドポイント、クライエントデバイスを使うARMを媒介としてエッジIoTに進出。自律型人工知能を世界中に展開。応用は自動運転、スマートシティ、リテイリングなどの応用技術を提供。CUDA on ARMなどを一斉展開。
⑧ 最も小さなエッジから最も大きなスーパーコンピュータまでをカバーするプログラムを遂行する。
⑨ このために、nVidiaは、ARMに対して次の4つをする: CPU GPU DPU、ネットワーキング技術をARMに供与。nVidaのHPCライブラリをARMに供与。nVidiaの画像解析技術を供与。HCP、クラウドマイクロサービスアーキテクチャ、エッジコンピューティング技術をARMに供与。富士通 A64、Ampere、Marvelと協力してエコシステムをARMに供与する。
⑩ 英国ケンブリッジにコンピューティング、コンピューティング遺伝子額による薬品発見を目的とする世界最大のスーパーコンピューティングセンタを設立する。GSK、AstraZeneca、Kings College、UK Biobank、Oxford Nanopore technologiesが協力。
⑪ nVidiaでは、薬物発見用ソフトウエア、EDAツール、AIツールを供与する。
⑫ 買収は、諸国の公正取引委員会の規制をクリアする必要があるが、メリットを説明すれば、理解を得られると信じている。
大統領選直後の週に、ARMとRISC-Vを両方知る最高の機会があります。RISC-V Daysは有償イベントですが、今年はコロナでオンラインとなりスポンサのご好意で無償イベントにできました。奮ってご参加ください。http://riscv.or.jp/riscv-day-tokyo-2020/